iMac A1419 Late 2015 Fusion DriveのSSD換装を承りました。

FusionドライブでのHDDは取りやめて、最新のNVMe SSd 1TBへ換装をご希望。
部品や両面テープを準備して作業を開始します。

iMacは本体と液晶パネルを強力な両面テープで接着してあります。
液晶パネルを保護しているガラスが非常に薄く、特に27インチモデルはちょっとした力の入れ加減でパリッと割れてしまいます。
それを怖がって請けたがらない修理屋もいるほどで、iPad修理の経験などが非常に生きるお仕事でもあります。
(当店は”泣きの入るような”iPadの液晶修理も行っておりますが、経験値が物を言う世界です)

数センチごとにピックを入れて、少しずつ隙間を開けていきます。
真冬はガラスが非常に割れやすく、一方でヒートガンの当てすぎも割れを誘発。
エアコンをガンガン回して室温を上げるのも割れ対策では有効です。

時間をかけて、ようやく開腹。

ファン周りはホコリも多く、掃除機で吸い上げます。
なおここでホコリ対策をしっかりとしておく事で、最後の工程である「ガラス面の接着」強度を落とさずに済む事になります。
素人さんが液晶ガラス面を両面テープで本体に接着する際、両面テープにホコリはNGです。

古い両面テープやクッション材はスクレーパーで綺麗に削ぎ落します。
これも接着強度を上げるのには不可欠です。

一番上が元から装着してあったサムスン製SSD。
真ん中は最新のWestern DigitalのWD Black SN7100 1TB。
一番下はMac用のSSDへの変換アダプタ。昔流に言うなら下駄です。

下駄をはかすと、Mac用のSSDとほぼ同じインターフェースになります。

ボードに装着したWD Black SN7100。
速度は測定していないですが、お客様には満足いただけたようです。

SSDをマウントしてOSインストール。
その後、最後の作業として液晶画面と本体を両面テープで貼り付けて軽く圧着し、ひと晩寝かします。
冬場は本当は、数日間は馴染むまで圧着した方が良いのですが、お客様には「使っていない間は液晶画面を上向きにしておいてください。一週間ぐらい」とお伝えしました。
冬場の暖房使用時と不使用時の大きな温度変化で、液晶パネルの両面テープの粘着力が低下し、重力で液晶パネルが落下する事故も有り得るので。
両面テープが馴染んだ後は徐々に心配が無くなっていくのですが、今年は結構冷え込む冬なので万が一の事も考えておいた方が良いでしょう。